2025年3月24日
研究会委員:津下哲也(姫路大学)・小川裕也(東京学芸大学附属大泉小学校)
2026年3月22日(日)、日本経済大学東京渋谷キャンパスレクチャーホール館及びSTATIO日本経済大学にて、【AI時代の教育学会 2025年度第2回研究会】を、対面で開催いたしました。「AI時代の『情報の知』が拓く未来:教科横断的なプロダクト開発と社会接続の可視化」〜言語能力を基盤とした、学校と社会を繋ぐアクティブ・ラーニングの再定義〜をテーマにした本会には、約60名の方に参加していただき、無事終了することができましたことをご報告させていただきます。
本会では、AI時代の教育について、最新の情報や学習指導のあり方ついて、様々な発表や議論が交わされました。日本アクティブ・ラーニング学会の10周年を記念して行われた合同行事では、生成AIの現在地とこれからについて、本学会前会長の赤堀侃司氏、日本アクティブ・ラーニング学会長の米田謙三氏、本学会現会長の中川一史氏による鼎談が行われました。 その後、本研究会の研究発表では、A~Dの4分科会に分かれ、生成AIやICTの教育活用に関する具体的な12本の発表をいただきました。
A分科会では、生成AIやデジタル技術を活用した新たな学習・教育モデルの提案が行われました。具体的には、教師の思考を拡張するAIエージェントの構想、ARを用いた体育実践の効果検証、生成AIとの対話による歴史学習の内面化、さらには偶発性を重視したキャリア教育モデルの検討など、多様な領域においてAIを基盤とした教育の再設計が試みられていました。いずれの発表も、従来の枠組みを問い直し、学習観や教師の役割の転換を志向するものでした。
B分科会では、情報活用能力の育成やICT・生成AIの教育実践に関する研究が報告されました。情報活用能力育成に関する校内研修パッケージの開発と評価、農業高校の数学におけるデータ活用の実践、生成AIによるフィードバックが児童の振り返りに与える影響、探究的な学習過程におけるAI活用など、学校現場における具体的な活用方法とその効果が検討されました。ICTやAIを学習過程の中でどのように位置づけるかという実践的課題が共有されました。
C分科会では、人間とAIの関係性や学習支援のあり方に焦点を当てた研究が展開されました。教育において人間とAIを統合するStudent-AIティーミングのモデル提案、学習者用デジタル教科書活用による学習過程の変容、AI英会話による心理的側面への影響、対話型AIによる復習支援システムの開発など、ICTと学習者の相互作用に着目した多角的な検討が行われました。AIを単なるツールとしてではなく、学習を支えるパートナーとして捉える視点が見られたのが特徴的でした。
D分科会では、教科指導における生成AIの具体的活用と教師の指導方略に関する研究が報告されました。語彙の吟味を促す生成AIの対話的活用、道徳授業における価値対立の扱いと生成AI、さらに算数科指導における教師の指導方略の抽出と理論化など、教室実践に即した研究が中心となっていました。学習の深化発展における生成AIの活用とともに、教師の専門的判断や指導の在り方をどのように捉えるかが重要な論点として示されました。
遅い時間にも関わらず,それぞれのご発表内容に関して活発な議論が展開されました。ご参加の皆様に,感謝申し上げます。
本研究会の開催にあたり、AL学会全国大会実行委員の皆様から多大なるご支援を賜るとともに、本学会の理事および事務局の皆様にも多方面でご尽力いただきましたこと、ここに深く感謝申し上げます。今後も本学会のさらなる発展を目指しつつ、2026年度研究会への皆様の積極的なご参加を心よりお待ち申し上げます。
2.【AI時代の教育学会2026年度研究会活動概要】
研究会は、当該研究分野に関しての講演会やシンポジウム、会員による研究発表会及びワークショップなどを行い、会員相互の研鑚に資することを目的としています。
2026年度研究会の開催につきましては、以下に概要を示すとともに、今後学会のWebサイトにてご案内をさせていただきます。積極的なご参加をお願い致します。
◆第1回研究会
2026年6月オンライン開催予定
第1回研究会では,1年間の研究活動の礎となる問いや視座を提供する講演(あるいはシンポジウム)を実施するとともに,研究発表の場を提供いたします。さらに,昨年度からの新たな試みとして,学校現場における実践を研究の枠組みで捉え直すための方法論を探る分科会も設けます。日々の実践に研究的な問いを見出し,言語化・論文化していくプロセスをご参加者の皆様とともに考える場としたいと思います。
研究者・教員・実践者・教育関係者等々,いずれの立場からもご参加を歓迎いたします。
◆第2回研究会 AL学会との合同開催
2027年3月開催予定
※これに加え、2027年8月上旬に、学校現場と学術研究をシームレスにつなぐための企画(札幌市内にて開催予定)を考えています。